MINI JOHN COOPER WORKS RALLY TEAM.のドライバー、大橋逸夫による車輌開発ストーリーから
レース情報・現地情報など、盛り沢山の内容でお届けします。

ハイランドマスターズ続き
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続きです。

タイヤはなぜ16インチにしないのか?
という質問をいただきました。

今回、MINIJCWで参戦するにあたって、
ベースのポテンシャルを生かしきることが一つの目標でもあります。
JCWといえば真っ赤なでっかいキャリパーがついています。
それに伴い、標準で17インチのホイールを履いています。
このでっかいキャリパーと17インチのセットは
生かしたかったんですよね。
それと、アフターパーツのブレーキキャリパー(モノブロック)を入れるのも大変だという話でして。
ブレーキは思った通り効きすぎるくらい効くのはわかっているんですが、
そうも言ってられない最終戦前。

選択肢としてはCooperSのキャリパーを使うか?
(ちょうど1セットあるんですけど)
ホイールはどうしましょうか。
今からお金をかけずに入手するのであれば
純正の16インチホイールを探しましょうか。丈夫だし。
ホイール交換されて余ってたりしませんかね。
4本じゃ足りないので、せめてデザイン違いでもいいから4本+4本の2セットほしいですね。

全国のディーラー様、オーナー様よりの吉報をお待ちしております。
新城終わったら返しますので。

さて、さて、

ミッションマウントが割れていることに気が付きました。
残りは6分です。
ミッションマウントが割れていると、どうなるでしょう
強い衝撃が加わることで完全に折れてしまうとエンジンが傾きます。
ドライブシャフトの位置がずれます。
ドライブシャフトが折れたり、ブーツが外れたりしますね。

一般走行や、普通のサーキット走行ではまずこんなことは起きません。
MINIにお乗りの方、ご心配なく。

ラリーのステージには
”車壊れちゃうんじゃないの、これ”
っていうギャップがそこら中に潜んでいます。
レッキで確認するのですが、
レッキ中の速度とSS中の速度はだいぶ差があるので
右だけドギャン!
両方ドガン!
左、右でガチャン!
色々なことが起きます。
ホイールのリムが曲がったりすることもあります。
もちろんパンクも。

さて、残りは6分です。

選択肢としては
1.あきらめてゆっくり走る
2.応急処置をする
3.リタイアする

これくらいしかありません。
あきらめてゆっくり走っても、残りのSS3つには山ほどギャップはあります。
リタイアするわけにはいきません
ということであるもので応急処置です。
部品自体は非常に外しにくいところにあるので、それ自体を外して何とかするのは無理です。

今回のラリーはギャップも多く、アンダーガードがついています。
アンダーガードはかなり厚いうえに、ボディにがっちりと止まっているので
アンダーガードとエンジンの間に支えになるものを挟み込むことになりました。
でもあと6分で、今回は三枝チーフメカモロッコラリーから帰ってこれませんでしたので
メカニックは福ちゃん一人です。

そこでキャロッセのメカさんたちに助けを求めました。
プジョーのメカのクマちゃんと、チーフのタカシが来てくれました。
おろしたジャッキをまた上げて、
アンダーガードを外して、支えを挟みます。

支えとは

木のかけら

通称

木っ端

です。

なぜそんなちょうどいい厚みのものがそこにあるのか。
そもそも木っ端をなぜ持ち歩いているのか(持ち歩いてないけど)

それは前回の北海道でも使ったからです。

最終SSの前に活躍した木っ端が
また日の目を見る時がやってきました。
積み込みの時に何かで使うかもと、マネージャーが荷物の運搬車両に放り込んでおいたという
超ファインプレーです。

あつらえたようにぴったりのその木っ端を挟み込み
アンダーガードを押さえつけて固定

僕はすでに運転席に乗ってます。
コドライバーはTCに走っていきました。

ジャッキを下して
発進

ギリギリでTCに間に合いました。
数秒前。

皆様ありがとうございました。

残りは3本です。
エンジンー木っ端ーアンダーガードとなっているため、直接振動が伝わり
ビリビリ言ってますが

ビリビリ言ってるってことは、木っ端がいるってことです。
木っ端がいなくなったらビリビリ言わなくなって
エンジンがずれます。(フレームに引っかかって止まるようにできているようですが)

注意点は、いくつかあります。こんなことが起きた時のために皆様にもお知らせしておきましょう。

ギャップで突き上げられた瞬間エンジンが浮いて木っ端がずれたり外れたりするかもしれません。
割れてしまうと最悪です。
アクセルを踏んだ時にエンジンが揺れますので木っ端がずれたりするかもしれません。

アクセルは踏まないと仕方ないのでギャップだけ注意することにします。

ブレーキを踏んでギャップに進入してしまうと、サスペンションのストロークが縮んだ状態で入るので
縮み代が少なくダメージが大きいです。
コーナーの進入時のギャップは一瞬ブレーキを抜いてストロークを確保してから超えるといいでしょう。

残りの3本は午前のリピートステージでしたが、それぞれ2秒、5秒、7秒くらいの遅れでした。

今回もゴールまでなんとか走り切れました。

応援してくださった方々、ありがとうございます。

ここに名前を載せてみたい方はこちら の記事一番下をご参照ください。あ、まだステッカー送ってないかも、ごめんなさいすぐやります。

応援はいつでも歓迎です