MINI JOHN COOPER WORKS RALLY TEAM.のドライバー、大橋逸夫による車輌開発ストーリーから
レース情報・現地情報など、盛り沢山の内容でお届けします。

ラリー北海道色々有りましたね。DAY1のご報告(長文注意)
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こんにちは、ラリー北海道で何が一番大変だったか、
それは最後にMINI札幌さまに車を返しに行った後の
飛行機に間に合うために駅までの700mダッシュでした。

電車が出発する3分前に駅につき、長い構内を移動し、
電車が到着する30秒前にホームに到着
危なかった。
もう少し余裕を持って移動するべきでした。

さて、
今回

金曜日
ラリーショーを終え

セレモニアルスタートからDAY1がスタート、

(360度みれます)

しかし、SS1に事件は起こりました。
ゴール後のギャップで車が振られ、右フロントタイヤパンク、右リア足回りがもげました。

サービスまで数百メートル

車載動画を見るとほぼ真横を向いてます。危なく転倒するところでした。
360度動画はこちら↓グリグリ回してみてください。

どう見ても、自走は危険
(とは言え、ゴールから150m程は走行してしまってますが)
時間通りにパルクフェルメに入れることは諦め
なすすべなく、サービスを待ちます。

全員でローダーに乗せ、サービスに移動

診断の結果

ドライブシャフトがバラバラに
ロアアームが曲がり
スタビライザーが曲がり
ブレーキキャリパーのサイドブレーキを引っ張る金具がちぎれ

かなりひどい状態

スペアパーツはアーム類のみ
ブレーキキャリパーも
スタビライザーも
ドライブシャフトもありません。

三枝メカニックのざっとした判断では
ドライブシャフトさえあれば
なんとか治りそうとのこと

ですが、肝心のドライブシャフトがありません。

札幌在住の熊崎メカニックも手をつくして、色々な方に連絡を取ってくれます
MINI札幌の営業時間が過ぎているのを承知で電話もします。
ブログなどで助けを求めてみます。

しかし、見つかりません。

現状のドライブシャフトを外し、
どこまで再生できるかを検証します。
プロトン、予備があったフロントなど
色々使えるかもしれない部品を引っ張りだして
検証に備えます。

今のドライブシャフトを再生するには
決まったサイズのベアリング入のローラーが必要
プロトンも、MINIのフロントも、ピロの部品も全部サイズが合いません。

もうダメかな?
と思いました。

でも、今の時点で、明日までに車を走れるようにすれば
競技のレギュレーションで5分間のペナルティで済むと。

なんとかSS2のスタートにつければ
もしかしたらドライブシャフトが見つかるかもしれない
そんな思いでいました。
MINI札幌の方も心配して何度も電話をくれます。

結果、外径内径がほぼ同じの
ソケットレンチを切って使うのはどうか?
リアのスタビはスペアのあるフロントのスタビを切って溶接して使うのはどうか?
という案が採用され、僕らは修復の目処がたったことで、キャロッセのマネージャー様に
早く帰って明日に備えたほうが良いとの忠告を受け、ホテルに戻りました。

メカニックさん達はその後も1時過ぎまで作業をし、朝5時の再車検に車を持ち込み
SS2を走れることになったのです。

翌朝

サービスに向かうと、メカニックさんたちの元気な姿が
2時間位しか寝てないはずです
昨晩のお礼を言っても明るい顔で返事をしてくれます。

これはなんとか頑張らないと
せっかく車を直してくれたみんなに申し訳ない

ちょっと気負って
SS2のスタートに向かいます。
SS2スタート

サイドブレーキが効かないので
タイトターンでかなりスピードを落とす必要がある
三浦くんも気負っているようで
ペースノートを読むタイミングがずれる
スタビライザーがフロント用の太いものを使っているので
車の動きがいつもとかなり違い、特に左右差が大きい

SS2は陸別サーキットというコースを使います。
前半はターマック、後半砂利のグラベルのあと、急に粘土質になり、
ウォータースプラッシュもあります。
部分的に砂利のコーナーが。
ある一つの左コーナー、ゴールまであと4つくらいのところで
進入のラインがズレ、右側の崖に吸い込まれていきます。
そのまま戻れるか?と思いましたが、落下防止用の砂袋に乗り上げ
動けなくなってしまいました。

まさかSS2でこんなことになるとは
焦って車から出て、動かそうとするも、どうしようもない。

マズイマズイマズイ

後続車はどんどん抜いていきます。
そしてスイーパーがやってきてしまいました。

呆気無くDAY1リタイヤ
サービスに戻るも
申し訳なくて、メカニックのみんなの顔がみれません。

MINIのオーナーズプログラムのお客さんもまだMINIが走る姿を見ていないのに・・・

マネージャーの提案で、オーナーズプログラムの方々へSSの解説をすることにしました。
でも、MINIが走ってないのに・・・

そこで急遽皆さんに一般道でコドラ体験をしてみてもらうことにしました。
法定速度内ですが、ヘルメットを被って、三浦くんに作ってもらったペースノートを
読んでみていただく体験です。

走行するシーンはお見せできませんでしたが、本番車両に乗ってみていただく事ができて
その後も皆さんとランチをご一緒させていただき、元気づけていただき
少しだけ元気になりました。

ラリー北海道は朝が早くて夜が遅いです。
ホテルに戻り、ドロドロになったレーシングスーツを洗い
9時過ぎに再度サービスに移動、翌日のための打ち合わせを行います。
タイヤをどうするか?今何かできることはないか?
9時半位にMINIのメンテナンスが始まります。

急ごしらえのドライブシャフトを確認してもらいます

もしかしたら1日走れるかもしれない。でも大きな異音がしたら、止まって下さい。
そう言われました。

どのくらい持つかは全くわからない。

それはそうですよね。ソケットレンチのソケットなんですから。
高速もできるだけゆっくり移動してくださいとも言われました。

でも、明日は絶対帰ってこよう
なにがあっても

みんなの努力を無駄にはできない

そう思いながら、ホテルに向かいます。

(DAY2に続く)