MINI JOHN COOPER WORKS RALLY TEAM.のドライバー、大橋逸夫による車輌開発ストーリーから
レース情報・現地情報など、盛り沢山の内容でお届けします。

安芸高田のご報告
グラベル3

まずは、広島までの自走、これはかなり大変です。
前週に全日本ダートラが開催されていましたテクニックステージタカタ、
自走でいかれた方もいらっしゃったと思いますが
大変ご苦労さまでございました。
積載車での移動と、本番車での移動はどちらがいいのかわからんですが
とにかく自走で行くのは気をつけた方がいいですね。

さて、初グラベル走行となった2015年JMRC中国四国ラリーシリーズ第EX戦&TRDラリーチャレンジin 安芸高田
に便乗させていただきましての今回の走行ですが

ラリー開催当日は21日、20日はテストしていいよ〜と嬉しいお言葉を頂き
いざ広島へ。

19日夜は大阪に泊まり、20日は12時半頃にテクニックステージタカタに到着
既に三枝メカニックは到着しており、まずは車両の点検を行います。

点検を行った後に初グラベル走行に入ります。

前後のブレーキバランス
電子制御の介入をチェックしながら初走行のテクニックステージタカタを走行します。
昼過ぎには到着したのに
一周走って”ブレーキに石噛んだ!”
再度走って”また噛んだ”
3度めは石ハネでリアショックの調整のネジがやばい
ってことで急遽対策品を調達に(現地の助っ人様が!)

これは。。。明らかにフロアマットですね
近くのホームセンターは3件回ってもそれっぽいものはなく、一番使えそうだったが黄色い帽子に売っていたこちらの商品になります。

その後、フロアマットを切ったり貼ったりして対策を講じていると今度は
豪雨
それも半端ない激しいやつ

結局最後まで雨は降り続き、車がグラベルで何とか走れそうかな?という程度で一日目は終了。

今回のためにABSをキャンセルする仕掛けを行って
つまりはDSC(ダイナミックスタビリティコントロール)
のうちの、意図しないブレーキによる制御が介入しないようになっているので

走行時に車両が勝手に4輪の何処かにブレーキをかける事がなくなりました。
これは、ドライバーの意図と違って車が車をコントロールする仕組みですので
”競技においては”というか”自分で車をコントロールするという責任をもつ立場においては”
装着していないほうが好ましいわけですね。

どんな方が走行しても、安全に走れるように考えられている仕組みですので、
100km/h以上のスピードでエイヤっと車を横に向けることはもちろん想定外なわけです。

ブレーキの”つまみ”はなくなりました。
ですがですが、車にはスピードを落とすためにもう一つの手法が有ります。

エンジンの出力を落とす

という技です。

これが可能なのは、今の車は電子スロットルといって昔の車とは違い、アクセルペダルが物理的なケーブルで繋がっておらず
電気信号で繋がっておりまして、
このぐらいアクセルを踏んだから、このぐらい加速させるという、コンピューター制御なんですね。
要するに、これもドライバーの意図とは違って、出力をコントロールされてしまう仕組みなのです。
ドライバーが全開でアクセルを踏んでも、車が危ないと思ったらそれを全閉にしてしまったりすることが
可能なのですよ。
加速感を出すため、燃費を稼ぐためなどにも活用されているようです。

こいつが曲者でして、
恐らく、舵角センサー、車輪速センサーといった各種センサーからくる総合的なものを計算し、
更にABSでコントロール出来てるはずなのにスピードが実際は落ちてない状況を判断して
エンジン出力を落とすんだと思うんですが、

コーナーに進入して、全く加速しなくなることがあるんです。
全てではなく特にカウンターを当てたりするときですね。
これは舵角センサーも悪さをしているんだろうと予想しまして

ゼロカー業務の中、走っては具合を伝え、走っては具合を伝え
無理やりサービス時間を延長して
舵角センサーを外してみることに。

すると三枝メカニックの”あらっ!”という悲痛な声が。

センサーを外そうとしたら、バラバラになってしまったようです。

舵角センサーがないと、今度はDSCがエラーになります。つまり、主導でトラクションコントロールが切れません
4WDは働いてます。

でもやっぱり、エンジン出力は絞られるんですよね。
Gセンサー?
舵角センサーは残したほうがいいのか?
車輪速?車輪速センサー外すとこんどは4WDじゃなくなってしまいます。

舵角を擬似的にゼロにしたままにしたらどうだろう?
とか、いろいろやりたいのですが時間がありません。

最終SSも終わりました。

また自走で帰るために、撤収準備をします。

こんな安芸高田の思い出です。
車自体は、グラベルを走っても面白い車にはなってきました。
もう一歩ですね。