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MINI JOHN COOPER WORKS RALLY TEAM.のドライバー、大橋逸夫による車輌開発ストーリーから
レース情報・現地情報など、盛り沢山の内容でお届けします。

リタイアの原因とか車の状況とか

こんばんは

今回、モントレーはグラベル区間もあり、2日目は特にヘビーウェットという状況
JN5クラスで唯一の4WDであるクロスオーバーにとっては絶好のチャンスであったわけですが
結果リタイアと、皆様の期待を見事に裏切ることとなってしまいまして申し訳ございません。

なかなか良い所が見せられず、見せられても何故か結果的に小出しになるという
ドラマチックな展開が続いておりますが

今回リタイアはマシントラブルでした。
具体的にはSS6でどうも車の挙動がおかしく
細かいアクセルワークが効かないような感じであったのですが

SS7に向かうリエゾンで、明らかに3000回転で一瞬クラッチが滑る
これはまずいかもと思いつつSS7ではコーナーの度に意図せず半クラッチの状態になり
コースの中にとどまるのが大変な状況に

SS8へのリエゾン区間は短く、もう”なりで行って、なんとか今日を走り切ろう”と
いう状態でSS9に挑みました。

SS9のスタートは長い上り坂
スタートもかなり丁寧にゆっくり(もうラリーのスタートと思えないくらい)
できるだけ負荷を与えないように走行。

SS9のパルコールはその日2回目。
一度目でサードベストのタイムではあったのですが(それもあとで知りましたw)、
ゴール直前の左コーナーでDSCによる電子スロットルの制御が入ることがわかっており
そのラインをどうやって回避するか三浦くんと相談していたのです。

とは言え、アクセルのオンオフはできるだけ避けたい
仕方なく、同じようなラインで入ったら、やはり電子スロットルが絞られる。

とりあえず、ゴール出来たということで
タイムは全く気にしてませんでした。

歩いてサービスに戻るとみんなにおめでとうと言われる。
なんじゃ?
という状況でした。もっとタイムでたかもですね (注:タラレバといいます)

その後知ったのですが
ALL4(クロスオーバーの4WDシステム)はFFと比較しても
かなりクラッチが減るようで、JCWのクラッチを社外品にするような方は
あまりいらっしゃらないこともあり、世の中に知られていない情報だったようです。

昨日、小倉クラッチさんが、キャロッセさんにわざわざ検証のためにクラッチを取りに行ってくれました。
本日お電話もいただき、交換部品を本日届けてくれたとのこと。

やはり過度の摩耗があり、摩耗した摩材が更にクラッチの滑りに拍車をかけたようですとのことです。
今回利用していたクラッチは、純正よりも高いトルク値の対応のものでしたが、
それでもそうなってしまうわけですね。
これもまた、データのない車両ならではの出来事ですので
それに対しての対応にクラッチ屋さんとしてのプライドを感じました。ありがとうございます。

通常走行での摩耗もやや多めらしいので、ALL4にお乗りの方
今回検証していただいた対策品の小倉クラッチさんのクラッチに交換されるのもいいかもしれません。
耐久性もダイレクト感も上がります。重くはなりません。

さて、車の状況ですが
平地、下りに関しては努力次第
高速コーナーは度胸次第
中速コーナーはやや改善
低速コーナーはかなり改善
上り・・・苦手なので、運転手でカバー
という状況になってきました

もう少し車高が下がればいいなとおもいつつ
現在与えられた材料で何とか頑張ります。