RACE
全日本ラリー JN5クラスに参戦中のMINI JOHN COOPER WORKS RALLY TEAM.のレースレポートです。
第5戦 モントレー 2017 in 嬬恋
開催日
2017年6月9日(金)〜6月11日(日)
開催場所
群馬県・吾妻郡嬬恋村近郊 長野県須坂市周辺
天候/路面
Day1 晴れのち雨/ドライ→ウェット
Day2 晴れ/ドライ
ターマック(舗装路面)
総走行距離
387.506km
SS総距離
74.198km
参加台数
47台
大会の拠点となるサービスパークは、例年と同じ「パルコールつま恋リゾート」に設置された。隣接するラリーパークには自動車メーカーや企業のブース、種類豊富な飲食ブースが設けられ、デモランやトークショーなどの様々なイベントが開催され大いに賑わっていた。設定されたSS(スペシャルステージ)は全16本。Day1は、「Gunmazaka(2.271km)」とラリーパークのすぐ横を走行するSSS(スーパースペシャルステージ)「Sammy SSS(0.491km)」をそれぞれ1回、「OmaeSuzaka UP(5.477km)」を3回、「Sajiki(3.984km)」と県境を超えて長野県菅平高原に新たに設定された今大会最長ステージの「Minenohara(10.779km)」を2回ずつ走行する9本。Day2は、Day1の逆走となる「Sajiki Reverse(4.780.km)」、「Gunmazaka Reverse(2.096km)」「OmaeSuzaka DOWN(5.663km)」を2回ずつ、SSS「Sammy SSS Reverse(0.401km)」を1回走行する7本で構成されたSS合計距離74.198km、総走行距離387.506kmで競われるターマックラリーである。
大会初日となる6/9(金)、レッキ(コース下見)の後、Sammy SSS Rを使用して2時間の中で3本のテスト走行をするシェイクダウンが行われた。希望者のみの参加だが、大会前に車両全体のメンテナンスを行ってはいたものの7ヶ月ぶりとなるラリーのため、チームはこれに参加。シェイクダウン直前に突然豪雨と雹が降り、改めて嬬恋周辺の天候の予測の難しさを思い知りつつも、1本走行するごとにセットアップを少しずつ変更し、今回初めて装着するタイヤと全体のバランスを確認しながら細かい調整を施した。
翌6/10(土)、清々しい晴天の中、8時30分に1号車がスタートしてラリーは幕を開けた。オープニングステージとなる「Gunmazaka 1」は、距離は短いが路面の摩擦係数が低く車速もそれなりに高くなるため注意が必要なステージ。まずは新しいセッティングの様子を見ながら走行し、続くSS2「OmaeSuzaka UP 1」とSS3「Sajiki 1」はラリーに特化して制作されたFIA公認車両であるRR車両勢に続いて5番手タイム、SS4「Sammy SSS」ではセカンドベストをマークしてまずまずのスタートを切った。この日1回目のサービスでは、タイヤの前後ローテーションと細かいセットアップ調整をして、再び「Sajiki」と「OmaeSuzaka」をループした後、新たに設定された「Minenohara 1」へ向かう。このころから、空は黒い雲に覆われ始め時折パラパラと雨が降っては止むといった状況。2回目のサービス場所はリモートサービスとして長野県菅平高原のSS「Minenohara」近くに設置されており、さらにSS場所が多岐に渡るため天候の予測が難しい。このサービスでウェットタイヤへ変更するか否か、どのチームも判断に迷う展開となった。チームは、この雲が流れて再びドライコンディションに戻ると予想してドライタイヤのまま走行することを決断、しかしこの判断がこの後のSSタイムに大きく影響することとなる。
サービス後の「Minenohara 2」では、濃霧と豪雨が重なり時には10メートル先の視界がない状態となり、これにより大きくタイムを落としてしまった。その後、嬬恋村に戻っても状況は変わらず、ドライタイヤを装着した状態でヘヴィーウェットコンディションの「OmaeSuzaka UP 3」をなんとか走り切ってこの日最後のサービスへ戻った。ブレーキタッチを改善するためブレーキパッドを交換、クラス5番手でDay1を終えた。
6/11(日)、前日の朝と同じように晴れ渡った青空のもとDay2を迎えた。前日の悪天候で、すでにクラス内で2台がリタイアという気の抜けない状況の中、この後の天候変化を鑑みたチームは、タイヤ本数制限8本というレギュレーションの中で選択肢を残すため、前日のタイヤのままでスタート。Day1で走行したSSの逆走という形で構成されたDay2は、その多くが下り主体のSSとなる。道幅の狭い中高速ステージできつい下り勾配の途中にあるタイトコーナーなどが点在するSS10「Sajiki R 1」をクリアした後、SS11,12,13は3番手タイムをマークしてサービスに戻った。このままドライコンディションと予想し、フロントタイヤをNEWタイヤに交換して午後のループに送り出す。残るSS3本も全て3番手タイムで順調にクリアし、結果はクラス3位表彰台を獲得。2017年度の初出場となる「モントレー2017 in 嬬恋」は幕を閉じた。
全日本選手権はこの後グラベルラリー2連戦だが、今年度はターマックラリーのみの出場となるため、次戦は10/13から15日に岐阜県高山市で開催される「M.C.S.C ラリーハイランドマスターズ2017」。今大会のセットアップはドライバーにとってもチームにとっても明るい兆しの見えたデータとなった。このデータを活かし、次戦までしっかりと準備をして挑みたい。
ドライバー 大橋 逸夫 選手コメント
実に7ヶ月ぶりのラリーとなった今回は、急遽決まったコドライバーの木村さんとの事前の打ち合わせも叶わず、今までになくぶっつけ本番という状況でしたが、今年初めて履くDUNLOPの新しいタイヤのおかげもあり、車のセッティングに悩むことはありませんでした。ただ、その分去年のクラッシュの心理的な影響もあり、タイムとしてはあまり良いものではありませんでしたが、車のポテンシャルとしてはまだまだ伸び幅があると感じることができたラリーになりました。
今回、多くのMINIオーナー様にいらして頂き、SS内の観戦ポイントや、リエゾンでたくさん応援していただきました。昨年、一昨年と比較してもMINIで観戦に来られている方が大幅に増えています。私たちとしても本当に嬉しい事ですし、皆様の応援が大きな励みとなりました。ありがとうございました。
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