seo white label

全日本ラリー JN5クラスに参戦中のMINI JOHN COOPER WORKS RALLY TEAM.のレースレポートです。

第2戦 久万高原ラリー

開催日

2016年4月29日(金)〜5月1日(日)

開催場所

愛媛県・上浮穴郡 久万高原町近郊

天候/路面

Day1 晴 / ドライ
Day2 晴 / ドライ
ターマック(舗装路面)

総走行距離

309.98km

SS総距離

158.15km

参加台数

37台

2016年全日本ラリー選手権は、九州から四国に舞台を移し、愛媛県にて第2 戦 久万高原ラリーが開催された。
標高1040mに位置する旧美川スキー場に設置されたサービスパークを拠点とし、Day1は「大谷(4.95km)」を3回、「大川嶺リバース(13.89km)」と、今回最長となるステージ「美川(23.39km)」を2回ずつ走行。Day2は「神岡(6.00km)」と「西谷(14.32km)」、Day1とは逆方向の「大川嶺 (14.05km)」を各2回ずつ走行する全13本、SS合計距離は全日本選手権ターマックラリーとしては異例の158.15kmというスケールで行われるラリーである。
前体会から中3週間というタイトなスケジュールの中、マシンは今大会前にCUSCO製のLSDを装着し、オープンデフによるアンダー傾向が改善されることが期待されたが、今回もテストはできず、作動確認のみ。また整備作業の関係で、レッキ(試走)も別のマシンで行われたため、宿泊場所とサービスパークの往復のみでフィーリングを確認しながらDay1を迎える形となった。

大会は、4月30日(土)9時に1号車がスタート。まずは、今大会では最短距離となる「SS1 大谷Ⅰ」へ向かう。細かなアップダウンが続くものの、全体的にフラットなステージでマシンの様子を見つつ、「SS2 大川嶺リバースⅠ」へ。
前半は開けた道を一気に駆け上がり、尾根伝いを走り抜けると今度はコケの多い林道を一気に下っていくこのステージだが、マシンの不調がスタート約5km地点で現れた。“ブレーキが効かない。”今大会のようなハイスピードの下りのところどころにヘアピンカーブが存在するステージでこのトラブルは致命的であり、同時に非常に危険であるため、ドライバーは細心の注意をはらいながらも、ロングステージのSS3「美川Ⅰ」をクリアし、昼のサービスへ。天候も良く、標高の高い地域で開催された今大会、気温および路面温度の高さと、下りの多いタフなロングステージ、さらには、リエゾン区間も短いためか、ブレーキフルードに含まれる微小なエアが熱膨張し、そのエアが噛んでブレーキの効きが悪くなったと見られたため、サービスではブレーキのエア抜きとフロントタイヤの交換を行った。しかし、予想を上回るフルード内のエアの多さに、時間内の作業ではブレーキが危険とのドライバー判断によりサービス制限時間を超えての作業となり、次のタイムコントロールで7分の遅着を喫してしまった。午前のブレーキ不調が見られたステージのリピートとなる「SS5 大川嶺リバース
Ⅱ」の後半部分で再びブレーキが効きにくくなる症状が現れた。細かなアップダウンの連続と大きなギャップやコケの多い区間が続くロングステージの「SS6 美川Ⅱ」では、1km あたり約2秒の差をつけられてしまうが、無事にサービスへ戻り、再び時間ギリギリまでエア抜きを行なった。結局、ブレーキ不調の原因は明確にならないまま、翌日の朝のサービスに作業を残し、パルクフェルメへマシンを運ぶ。昼のサービスでの作業時間オーバーによるペナルティを受け、総合タイムに1分10秒が加算、Day1は、クラス5位、総合25位という苦しい展開となった。

一夜明けた5月1日(日)、青空が広がる好天の中、Day2がスタート。朝のサービスでフロントタイヤをNewタイヤに交換、また昨日の最終サービスで完了できなかったブレーキメンテナンスを行い、この日最初のステージ「SS8 神岡Ⅰ」へ。Day1のロングステージ「美川」の後半部分を逆走するこのステージは、曲率がタイトになるコーナーの出口に大きなギャップがあったり、コケが多く滑りやすくなっていたりとテクニカルなコースとなっており、昨日のブレーキトラブルが完全には改善していないと考えられるMINIは、様子を見ながらの走行を強いられる形となった。トラブルを抱えたまま、とにかく完走することを念頭に走行を続けた我々だが、このあたりからラリーは波乱の展開を迎える。この時期、新緑の美しい林道ステージは、木漏れ日が多くさすため、木々の影と相まって路面状況が非常に見難く、一瞬の判断を誤ると大きなトラブルを招く危険なステージ。徐々に車両台数が減っていく中、MINIは無事に昼のサービスへ。再びブレーキチェックを行い、キャンバー・減衰力など細かな調整を施して、残り3本のステージへと向かった。午後のセクションでは気の抜けない状態の中、集中した走行を続け、クラス3番手、2番手タイムを出すなど健闘を見せた。
最終ステージで同クラスの他車両がマシントラブルでリタイアという大荒れの事態となったが、無事に完走し、最終的にクラス3位、総合18位という成績となった。
MINIラリープロジェクトが始動して2年目、チームは初入賞・3位表彰台を獲得。再び中3週間という短いインターバルではあるが、今大会で得たデータを元にマシンメンテナンスを施し、次戦、第3戦福井県若狭ラリーに臨む。

ドライバー 大橋 逸夫 選手コメント

今回は舗装ラリーの中でも最長距離となる上、昨年SS2にて早々にリタイアしているラリー。コースも難しく事前確認ができない状態でのデフ導入となったわけですが、ブレーキトラブルが発生し車両に不安を抱えながらの走行となりましたがライバルのリタイアにより3位表彰台という結果になりました。
決してタイムとしては満足できるものではなく、車としてもまだまだできることが多いと思っているので次回以降更に上位を目指していきたいと思っています。

コ・ドライバー 藤上 亘 選手 コメント

2日とも天気に恵まれ、たくさんの方が観戦に来ていました。やはりギャラリーコーナーに多くの方が見えると嬉しいですね!
アップダウンが激しく、また長く下りが続くステージもあり、ブレーキに厳しかった久万高原ラリー。初日のトラブルではどうなる事かと思いましたが、きっちり修復してくれたメカニックの方々のおかげで3位表彰台獲得という素晴らしい結果を手にすることができました。本当にありがとうございました。
不安を払拭して挑んだDay2ではサスペンションのセッティングも見え、タイムも上げていくことができました。今回のデータを活かして、次戦の若狭ラリーも頑張ります。引き続き応援よろしくお願いします!